天の川銀河
波照間島で見た夏の天の川
日本最南端の波照間島で撮影した、夏の天の川の写真です。 沖縄県の波照間島は無光害の地として知られ、夜になると手元も見えないほど真っ暗です。 気流も落ち着いているので、波照間島で見た星々は、真っ暗な宇宙に張り付いているように見えました。
薄明が終わり、天の川銀河が東の空から見え出すと、まるで真っ白な雲が上ってきたように見えました。 透明度も良かったのだと思いますが、この夜、波照間島で見た天の川の姿は、 ほんとうに美しくて涙が出そうなほどでした。
波照間島の天の川は、よく星空撮影に訪れる紀伊半島で見る天の川銀河よりも、 ずっと太く明るく、そして白く輝いていました。 また、世界的に有名なニュージーランドのテカポ湖の星空よりも、背景がずっと暗く、 コントラストよく感じました。
目の前に見えている天の川が、私達の地球が属している天の川銀河の姿なんだな、 と思いながらしばらく見とれてしまいましたが、 我に返ってふと手元を見渡してみると、それまで真っ黒だった周りの風景が、ボンヤリと照らされていました。 これがよく言われる、天の川の星明かりなのでしょう。 天の川に照らされて、星空と一体になったような気がしました。
波照間島には、2度撮影で訪れましたが、約2週間滞在して、天の川が綺麗に見えたのはこの夜のみでした。 貴重な機会に恵まれたこともあり、この写真は私の中でも思い入れの深い作品です。 今では珍しい銀塩フィルムによるダイレクトプリントですので、現地の星空の美しさが伝わる一枚と思います。
※大きな天の川銀河の写真も展示して いますので、是非ご覧ください。 また波照間島の旅行記にて、 現地の様子もご紹介しています。
Imaging information
撮影機材: SMC Pentax67 75mm F2.8ALレンズ (F4で撮影)、 タカハシP-2赤道儀にて追尾
使用カメラ: ペンタックス67 カメラ
露出時間: 35分、エクタロームE200(+2増感)
撮影場所: 沖縄県波照間島,2005年撮影
天文ガイド入選作品