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こぎつね座付近の天の川とNGC6820

NGC6820,Sh2-88,M27

こぎつね座の銀河と散光星雲NGC6820

Takayuki Yoshida

NGC6820付近の天の川

こぎつね座に広がる天の川と、散光星雲の写真です。 こぎつね座と言えば、亜鈴星雲(M27)の存在で有名な星座ですが、M27は画面中央の左の方に小さく写っています。 こうしてみると小さなM27ですが、惑星状星雲の中では大きなものです。 この星域には、M27以外にも小さな散光星雲や散開星団が存在していて、色合いが美しいところです。

画面中央右寄りには、この辺りで最も大きい散光星雲「NGC6820」が写っています。 小さな星雲ですが、ポジフィルムをルーペで拡大して見ると、なかなか特徴的な形をしています。 最近ではデジタル機材を使って、このクローズアップ写真も盛んに撮影されています。 それを見ると、フィラメントのような構造が見て取れて興味深いです。

その上にはもう少し小さい散光星雲Sh2-88が写っており、そのまた上にはもっと小さいSh2-90が赤い点のように写っているのです が、この望遠レンズでは拡大率が低くてわかりづらいです。 また画面下方向には、矢座に位置するM71球状星団が小さく写っています。 この星団は星の集中率が低いので、散開星団とも呼ばれています。天体望遠鏡でみると小さな星雲状に見えます。

ほのかな天の川の色合いを表現したかったので、色の彩度が高いフィルムE100Sをカメラから抜いて、 E200を使い写し取った領域です。 散光星雲自体は淡いのですが、星の密集度が高いのですぐに露光が飽和してしまう領域です。 昨年は横構図で撮影しましたので、今年は縦構図にして撮影してみました。


Imaging information

撮影機材: CanonNewFD400mmF2.8レンズ,タカハシEM200赤道儀

使用カメラ: ペンタックス67 カメラ

露出時間: 35分、エクタロームE200

画像処理ソフト: PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県大塔村,2004年撮影

月刊天文入選作品