NGC5128 ケンタウルス座A
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NGC5128 ケンタウルス座A
ケンタウルス座A(NGC5128)は、ケンタウルス座に位置する電波銀河です。2つの系外銀河が衝突している最中と考えられており、太陽が放出する光エネルギーの5,000万倍に相当する強力な電波を放射していることで知られています。
視直径は約26分角と銀河としては比較的大きく、見かけの等級は6.8等と明るいため、理想的な星空環境であれば双眼鏡でもその存在を確認できます。天体望遠鏡を使用すると、中央に黒い切れ込みの入った丸いボール状の姿が見えます。
日本の天文ファンにも人気の天体ですが、赤緯-43度と南天に位置するため、本州からの観測条件は厳しく、東京での南中高度は約9度にとどまります。低空のもやや雲の影響を受けやすいため、クリアに観測するのは困難です。
一方、オーストラリアをはじめとする南半球では天頂付近に輝くため、好条件で観察できます。今回、オーストラリアで口径5cm・倍率18倍の双眼鏡を使用して観望したところ、ボール状の姿を確認できました。さらに、口径10cm・倍率150倍の望遠鏡では、暗黒帯が切れ込む様子がはっきりと見え、しばしその姿を楽しむことができました。
撮影には、口径10cmの2枚玉フローライトアポクロマート望遠鏡と冷却CMOSカメラを使用しました。飛行機での機材運搬は大変でしたが、日本で撮影するよりも鮮明に捉えることができ、その苦労も報われました。なお、掲載した画像はトリミングしています。
Imaging information
撮影光学系:タカハシFC-100DF、FC/FSマルチフラットナー1.04×使用
使用カメラ: ZWO社 ASI2600MMPro
露出時間:L=R=G=B=各180sec×5コマ(総露出時間:1時間)
撮影方法:AM5赤道儀とASIAIRにて自動追尾撮影
撮影場所:オーストラリア ケアンズ郊外、2024年7月撮影