ふくろう星雲
Owl Nebula M97
Takayuki Yoshida
ふくろう星雲 M97
ふくろう星雲M97は、おおぐま座で輝く惑星状星雲です。この星雲の愛称になっている「ふくろう」は、丸い星雲の中に 目玉のような二つの暗部があり、全体としてふくろうの丸い顔のように見えることから、イギリスのロス卿が名付けたと 言われています。確かに写真の左を下にしてボンヤリ見ていると、そんな風にも見えてきます。
この星雲自体は非常に淡く、メシエ天体の中でも形の捉えにくいものの一つとされています。小さな天体望遠鏡で覗いても ボンヤリとした球状に見えるだけで、なかなか中心部の暗黒帯は見えてきません。 この星雲の発見者のメシャンも「見るのは困難。マイクロメーターのワイヤーが少しでも光ると見えない。」と記しています。
前回は、広い視野を持つイプシロン望遠鏡で隣のM108銀河と共に ふくろう星雲を写しましたが、今回は大型の望遠鏡を使ってM97星 雲だけをアップで写してみました。このぐらいの拡大率で写すと、星雲の色が微妙に変わっていく様子や星雲の 濃淡までもがよくわかります。丸いボールが弾んでいるようにも見えてきますね。
Imaging information
撮影機材: タカハシミューロン300(レデューサー使用), ペンタックスMS5赤道儀
使用カメラ: SBIG ST-2000XM, AO-7, Astronomik Type2C LRGBフィルター
露出時間: L:10分×16フレーム, RGB:各10分×2フレーム
画像処理ソフト: ステライメージ5, PhotoshopCS
撮影場所: 岡山県備前市,2008年撮影