土星の環の傾きの変化
Planet Saturn
Takayuki Yoshida
土星の環の傾きの変化
土星の環の傾きは、約15年周期で大きくなったり小さくなったりを繰り返しています。上の写真を見れば一目瞭然ですが、 2003年の頃は大きく開いていた土星の環が、2009年には傾きがほとんどなくなっています。2009年の夏頃には、土星の環は 一旦見えなくなります。土星の環の消失と呼ばれている現象で、環を真横から見ることになるために環が一時的に 見えなくなってしまうのです。
上の画像は2003年から2009年にかけて撮影した土星の写真をまとめたものです。土星の大きさがまちまちですが、 これは撮影した望遠鏡が異なるのと、土星の見かけの大きさが異なっていたためです。この年の土星が他に比べて大きく見えたわけでは ありませんのでご注意ください。こうしてみると土星の環の傾きが変わっていく様子がよくわかりますね。
土星の環の傾きが毎年変わって見えるのは、土星が傾いて公転しているためです。環は土星の公転面に対して26.7度傾いて いて、その傾きを保ったまま太陽の周りを公転しています。土星が太陽の周りを一周するのに約30年かかりますから、 土星の環が全く同じように見えるのには30年かかることになります。 ただし、真横になるのが2回あるので、傾きの変化という意味では15年周期となります。 15年に一度土星の環の消失が起こるのです。
Imaging information
撮影機材: タカハシMT160,MT200,TOA130,μ300
使用カメラ: Philips ToUcamPro Webカメラ, Astronomik製 IR-Blockフィルター
画像処理: Registax4, PhotoshopCS4
撮影場所: 兵庫県宝塚市, 2003年から2009年にかけて撮影