網状星雲西側 NGC6960付近

NGC6960,NGC6979

網状星雲西側 NGC6960付近

Takayuki Yoshida

網状星雲西側 NGC6960付近

はくちょう座で輝く網状星雲の西側部分を捉えた写真です。 網状星雲は、 約2万年前に、太陽の約25倍もの質量のある大きな恒星が爆発したときの残骸だと考えられています。

NGC6960付近の撮影には、F値が2と非常に明るい「セレストロン RASA8」を使用しました。 RASA8は、セレストロン社が開発した、8インチ(約20cm)の主鏡と補正板を持つ複合光学系です。 RASA8の外観は、同社のシュミットカセグレン望遠鏡に似ていますが、 副鏡部分に補正レンズが組み込まれていて、この部分にカメラを取り付けます。

撮影に使用したカメラは、マイクロフォーサーズフォーマットの撮像素子(SONY MX294CJK)が搭載された、 冷却CMOSカメラ「ASI294MC Pro」です。 カメラのフィルターボックス(アイダス社ドロップインフィルターアダプターAD19.4)に、 HαとOⅢの波長の光を透過するデュアルナローバンドフィルター、 アイダス NBZフィルターを差し込み、撮影を行いました。

都市部から近い場所で撮影を行ったため、 光害の影響で天の川は全く見えず、4等星前後しか視認できない透明度の悪い星空でしたが、 NBZフィルターの効果で、星雲の淡い部分までコントラストよく写し取ることができました。

夜空が雲に覆われた影響で予定枚数の3分の1ほどで撮影終了になってしまいましたが、 RASA8の光学系の明るさと、半値幅が広く透過率が高いNBZフィルターに助けられ、 思っていたよりも滑らかな作品に仕上げることができました。


Imaging information

撮影鏡筒:セレストロン 8″Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph(RASA8)

望遠鏡架台:ビクセンSXP 赤道儀

使用カメラ:ZWO ASI294MC Pro 冷却CMOSカメラ

フィルター:アイダス社 ネビュラーブースター NBZ Di使用

露出時間:300秒×12枚、ゲイン120

画像処理ソフト:ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県川辺郡猪名川町、2021年撮影