いて座
Sagittarius
Takayuki Yoshida
いて座の概要
いて座は黄道十二星座の一つで、さそり座の西隣で輝いています。 いて座というと星座の形を想像しづらいかもしれませんが、漢字で書くと「射手座」となり、弓を射る人の姿を描いた星座であることが想像できます。 星座絵でも右側に弓を携え、さそり座を狙うように弓を引く姿が描かれています。
星座絵を良く見ると、いて座のモデルとなっているのは人間ではなく、半身半馬の怪物であることがわかります。 このモデルとなっている半身半馬の怪人はケイローンで、ケンタウルス座で有名なケンタウルス族の一人です。 ケイローンは、ヘルクレス座となった勇者ヘラクレスにも武術を教えたことがあり、 乱暴者の多いケンタウルス族の中で、知性と正義感に溢れた賢人として語られています。
いて座の星の並びの中で最も有名な形は、南斗六星でしょう。 北斗七星を小さくしたような形の南斗六星は、いて座の中でよく目立ちます。 特に中国ではこの星の並びを幸運を呼ぶものと考えているようで、中国人の方々と星空を一緒に見た際、 南斗六星をしきりに探しているのが印象的でした。 南斗六星の星の並びは、西洋では「ミルクディッパー」と呼んでいます。 これは、南斗六星の形がミルキーウェイ(天の川)をすくうスプーンに見えることから名づけられたのでしょう。
いて座はこの他にも「ティーポット」と呼ばれることがあります。 いて座の主要な星を結ぶと、確かに紅茶を入れるポットのようにも見えます。 天の川を注ぎ口から出ている湯気と見立てれば、よりそのイメージが強まります。
いて座の中には、天の川銀河の中心方向が位置しているので、このいて座方向の天の川が最も濃く見えます。 そのため、見ごたえのある天体も多く、いて座は天体観測や天体写真撮影の際に天体望遠鏡がよく向けられる星域です。 中でも有名な天体は、干潟星雲M8と三裂星雲M20です。 どちらも双眼鏡で確認できるので、天の川が見える綺麗な星空に出会ったら、観察してみてください。
星座名 | 英語名 | 略号 | 星数(5.5等まで) | 特徴 | 季節 |
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いて | Sagittarius | Sgr | 194個 | 天の川が最も明るく見える方向にある星座 | 夏 |
Imaging information
撮影レンズ: キャノンEF24mmF1.4LUSMII
使用カメラ: キャノンEOS60D
露出時間: L=8分×4, ISO800, F2.8, 追尾撮影