M4 球状星団

M4、NGC6121

M4星団

Takayuki Yoshida

さそり座の球状星団 M4

さそり座のM4は、アンタレスのすぐ西側で輝いている球状星団です。 明るさは6.5等前後ですので、肉眼で確認するのは難しいですが、双眼鏡を使えば容易に確認することができます。 M4は星の集まりがまばらな球状星団ですので、 口径の大きな天体望遠鏡を使用すると、中央部の星々まで分解して美しい眺めを楽しめます。 また、南中高度が低い影響もあるのか、M4は、全体的に少し赤味かかった色合いに見えます。

天体写真ファンにとって、M4と言えば、 アンタレス付近の色鮮やかな星雲と一緒に撮影される天体という印象が強いのではないでしょうか。 そのため、M4は数ある球状星団の中でも比較的大きく美しい天体ですが、単独で写されることは少なく、 アンタレス付近に広がる星雲の引き立て役のようにも感じられます。

今回は、長焦点の望遠鏡Mewlon-250CRSと冷却CCDカメラを使用して、M4を単独で撮影しました。 南中高度が低い天体は気流の影響を受けやすく、なかなかシャープな画像を得られませんが、 幸いこの日は大気の状態が良かったので、星像の鋭い画像を得ることが出来ました。 M4をクローズアップ撮影したのは今回が初めてでしたが、 星の色も豊富で、思った以上に美しい天体だということを再認識しました。 機会があれば、狙ってみていただきたい対象です。


Imaging information

撮影機材:ミューロン250CRS(レデューサー使用)、ビクセンAXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=10分×4フレーム、RGB=各10分×1フレーム
(総露出時間1時間10分)

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2017年撮影