月面南部のクレーター群
Craters on the surface of the Moon
Takayuki Yoshida
月面南部のクレーター群
月の南極に近いこのエリアは、たくさんのクレーターで覆われています。双眼鏡で覗いてみても、海と呼ばれる部分はほとんど 見えず、クレーターのデコボコばかりが目立つエリアです。また、月の周辺に近づくに従って奥行き感も縮まってくるため、 より一層そう感じられるエリアです。
この月面エリアで特に注目されるのが、写真の中央右寄りに写っている大きなクレータークラビウスです。 クラビウスは直径が220キロほどもある大きなクレーターで、内側にたくさんの小クレーターがあります。 特に面白いのは、この小クレーターが綺麗に弧を描くように並んでいることです。三日月状にも見えてきますね。
このクラビウスの小クレーターは、天体望遠鏡の性能テストにもよく使われています。お使いの天体望遠鏡では、小クレーターが いくつ見えるでしょう。このクレーターが見頃の時にテストしてみてください。
この日は気流が落ち着いていたので、ビックリするほど綺麗に月のクレーターが見えました。同じ望遠鏡でも日によって全く 見え方が違うのです。そんなよい条件の日に写した写真ですから、非常に細かいところまで写りました。 是非大きなクレーターの写真もご覧になってください。
Imaging information
撮影機材: タカハシTOA130S望遠鏡,NJP赤道儀
使用カメラ: SBIG ST-2000XM, Astronomik Lフィルター
拡大方法: バリエクステンダーにて望遠鏡の像を拡大
露出時間: 0.1秒
撮影場所: 兵庫県宝塚市, 2008年4月撮影