皆既日食 2017年 北アメリカ大陸
Total Solar Eclipse
Takayuki Yoshida
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北米大陸 皆既日食 2017年8月21日
2017年8月21日に、アメリカ合衆国で観測された皆既日食の様子を写し取った作品です。 露光タイマーを約5分おきに設定し、固定撮影で連続した画像を比較明合成で一枚に仕上げています。 皆既日食時の現地の雰囲気がわかるように、子供連れの家族の後ろにカメラを設定し、撮影を開始しました。 上手い具合に、家族連れがカメラと皆既日食の間に入ってくれ、雰囲気のある日食写真に仕上がりました。
2017年8月21日の皆既日食は、アメリカ横断皆既日食と呼ばれていました。 アメリカ合衆国を4000キロ以上も皆既食帯が横断していくという、世紀の天文現象で、 2億人以上が皆既日食の姿を楽しんだと報道されました。
今回の皆既日食は、交通の便が良い先進国のアメリカが舞台となったので、日本からも多くの天文ファンが押しかけました。 皆既日食観測ツアーも数多く組まれ、皆既日食中心の5日間のコースで50万円前後、 観光も含まれた9日間のコースで70万円前後、中にはツアー代金99万円という高額コースも登場しました。 どのコースもたいへん人気で、すぐに予約が埋まり、キャンセル待ちになったようです。
私は皆既日食の撮影地をオレゴン州セイラム市郊外のキャンプ場に絞り、個人で渡航しました。 キャンプ場の予約はネット上で行い、細かい到着時刻の変更はメールで伝えました。 航空機は、バンクーバー経由でオレゴン州にポートランドに入り、そこからレンタカーでセイラム市に向いました。 幸い、以前オレゴン州に住んでいたことがあるので、土地勘もあり、問題なく現地に到着することができました。
キャンプ場には皆既日食の日を含め、3日間テント泊しました。 テントは日本で事前にWalmartに注文し、それをピックアップして持ち込みました。 シュラフや必要な食材も同様です。 帰りに不要なものは、中古品ショップで売ってきました。
キャンプ場は常設ではなく、皆既日食に合わせた臨時の広場でしたが、シャワーが搭載されたトレーラーが設置されるなど、 とても快適でした。 また、アメリカの天文ファンとも交流を深めることができました。 驚いたのは、ニコンのサイトを通じて私を知っていた方がいたことです。 昼間、チャイを飲みながら天文機材について話し合ったのが懐かしい思い出です。
2017年夏のオレゴンは暑く、空には森林火災の影響が出つつありましたが、幸い、皆既日食当日は風向きが変わり、 日食の一部始終を観測することができました。 アメリカ内陸部の一部のツアーで観測できなかったと聞きましたが、総じて天候に恵まれ、 日食ツアーにに参加された方は満足して帰って来られたようです。
次回、北米大陸で皆既日食が見られるのは、2024年4月8日です。 今度はテキサス州のダラス近郊が観測地ですね。また一年ほど前から計画を練りたいと思います。
Imaging information
撮影光学系:ニコン AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRレンズ
撮影カメラ:ニコン D7500 デジタル一眼レフカメラ
露出時間等:5分ごとにオートで撮影した写真を比較明合成
撮影場所: アメリカ合衆国オレゴン州セイラム市郊外、2017年8月21日撮影