アンドロメダ大銀河
M31, The Andromeda Galaxy
Takayuki Yoshida
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アンドロメダ大銀河、M31
アンドロメダ大銀河は、秋を代表する星座の一つ、 アンドロメダ座で輝いていることから、この呼び名が付けられました。 天文ファンには、メシエカタログの「M31」でも親しまれていますが、 一般の方には「アンドロメダ銀河」や「アンドロメダ大星雲」の呼び名の方がしっくりくるでしょう。
アンドロメダ大銀河は、地球から見える銀河の中ではとても大きくて明るいので、 空の暗いところでは肉眼でも存在を確認することができます。 しかし、天文ファンならともかく、星空観望に慣れていない方には、なかなか見つけにくいと思うので、 アンドロメダ大銀河を探す際には、双眼鏡を使用した方がよいでしょう。
双眼鏡があれば、淡く広がった部分まで確認することができるので、恒星とは異なる天体であることが容易にわかります。 とは言っても、写真に写っているような渦巻きがコントラスト良く見えるわけではなく、 ボンヤリとした雲のような見え方です。 これは、何分もの光を蓄積できる写真と異なり、肉眼では、一瞬の光を見ているためです。 眼が暗闇に慣れてくれば、より淡い広がりも見えてくるので、時間をかけて観望してみてはいかがでしょう。
また、アンドロメダ大銀河は明るいので、大都市周辺部の明るい場所でも、 天体望遠鏡や口径の大きめの双眼鏡を使えば、その姿を確認することができます。 観望の際には、できるだけ空の透明度の良い日を選び、 アンドロメダ大銀河が南中する時刻を見計らって観望しましょう。
今回、アンドロメダ大銀河の撮影には、口径15センチのフローライト屈折望遠鏡と、正方形ラージフォーマットの冷却CCDカメラを使用しました。 口径比が8と暗い光学系ですが、イメージサークルが広いフラットナーレンズを使用したため、 周辺減光は皆無で、星像は四隅まで真円を保っていました。 口径15センチの屈折望遠鏡の解像度は素晴らしく、色収差もほとんど感じられない鋭い像を結んでくれました。
天体撮影用の屈折望遠鏡としては、3枚玉や4枚玉のアポクロマート望遠鏡を愛用していますが、それらに比べると、 2枚玉フローライト屈折望遠鏡は温度順応が早く、撮影中のピント位置のズレも少なく、実用的に感じました。 2018年夏に、高橋製作所から、旧機種にも使用できるFC/FSマルチフラットナー1.04×が発売されましたが、 このような新設計の補正レンズを使って、昔ながらの2枚玉フローライト屈折で天体撮影を楽しむのも面白いかもしれません。
Imaging information
撮影光学系:タカハシ FS-152、専用フラットナー使用
赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾
使用カメラ:FLI製 PL-16803 冷却CCDカメラ、Astrodon LRGBフィルター
露出時間: L画像=120分(10分×12)、Red画像=Green画像=Blue画像=10分×2
総露出時間 3時間
画像処理ソフト: ステライメージ8、 PhotoshopCC 2015
撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2018年撮影