M64銀河
Black Eye Galaxy、M64、NGC4826
Takayuki Yoshida
M64 黒眼銀河
M64は、かみのけ座に位置する系外銀河です。 銀河の中心から少し離れたところに明瞭な暗黒帯があり、天体望遠鏡で観望すると、 人の眼のように見えることから「黒眼銀河」という愛称があります。 ただ、実視等級が8.5等という割には、案外と暗く感じるため、 口径の大きな望遠鏡でないと、暗黒帯を肉眼で確認するのは難しいと思います。
M64銀河は、地球からは約1,700万光年も離れているため、 視直径は、約10′×5.5′と小さく、長焦点望遠鏡を使用しても、それほど大きくは写りません。 しかし、実際には、M64銀河は非常に大きな銀河と考えられており、 メシエ天体の中で2番目に大きい天体と言われています。
M64を撮影した夜は気流が良好でした。 系外銀河の撮影には、シーイングキャンセラーとも呼ばれるAO-7(Adaptive Optics)装置を使用していますが、 0.1秒単位の高速オートガイド中も星はほとんど揺れず、安定していました。 その陰で銀河のディテールだけでなく、通常は写らない微恒星までシャープに写りました。 天体望遠鏡の解像力を生かした写真が得られると気持ちがいいですね。
Imaging information
撮影鏡筒:タカハシ Mewlon-250CRS
天体望遠鏡の架台:ビクセン AXD赤道儀
使用カメラ:SBIG ST2000XM、AO-7使用、Astronomik Type2C LRGBフィルター
露出時間:L画像=15分×6枚、RGB画像=各10分×2枚
画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2017
撮影場所:岡山県吉永町八塔寺、2018年撮影