NGC2359

Thor’s Helmet Nebula,NGC2359

ngc2170

Takayuki Yoshida

トールのかぶと星雲、NGC2359

NGC2359は、おおいぬ座の北東で輝く散光星雲です。 視直径10分程度の小さな散光星雲ですが、星雲内にウォルフ・ライエ星と呼ばれる特異な星が存在することでよく知られた天体です。 星雲の形が神話などに登場する兜の形に似ていることから、 NGC2359には「Thor’s Helmet Nebula(トール(北欧神話の雷神)のかぶと星雲)」という愛称が付けられています。

NGC2359の中心部は、天体望遠鏡を使えば肉眼でもぼんやりと確認することができます。 天体望遠鏡の口径が大きいほど見やすく、口径30センチのミューロン300を使うと、 星雲の横方向の広がりをうっすらと確認することができました。 大口径ドブソニアンにネビュラーフィルターを付けて観望すれば、星雲のディテールまで捉えられるかもしれません。

NGC2359は小さな星雲ですので、タカハシTOA130望遠鏡にレデューサーを付け、 チップサイズの小さい冷却CCDカメラでディテールを狙いました。 ローマ字の「x」の形に広がる星雲の明るい部分だけでなく、その外側に広がる淡い部分も表現することができました。 ただ冬の天の川の星々が少々うるさく感じられるので、星雲のディテールをより表現するなら、 ナローバンドで撮影した方が良さそうです。 次回は、Hα画像も撮影して、ナローバンドカラー合成で仕上げてみたいと思います。


Imaging information

撮影機材:タカハシTOA-130望遠鏡(TOA-35レデューサー0.7×使用)

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀にて追尾

使用カメラ:SBIG ST-2000XM冷却CCDカメラ、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=15分×8枚、R=G=B=10分×1枚

画像処理ソフト:ステライメージ7、Photoshop CC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2016年撮影