らせん星雲
Helix Nebula, NGC7293
Takayuki Yoshida
らせん星雲 NGC7293
らせん星雲(NGC7293)は、夏の終わりから秋の初めにかけて南の空低く見える惑星状星雲です。 惑星状星雲としては大変大きい天体なので、その存在は、双眼鏡でも確認することができます。 大きめの天体望遠鏡を使用すれば、ぼんやりとドーナツ状に見えてきて大変興味深い天体です。 南天が開けた星空の綺麗な場所に出かける機会があれば、是非観望してみて欲しい天体です。
らせん星雲は、大きいだけでなく、色合いが非常に美しい星雲です。 中心部は神秘的なブルー色に満たされており、その周りには淡い赤色の星雲が取り巻いています。 その姿が人の眼のように見えることから、一時は「神の目」と呼ばれて、話題になったこともありました。 この世のモノとは思えない神秘的な色合いと形が、そう思わせたのかもしれませんね。
今回は、TOA130S望遠鏡にTOAフラットナーを取り付けて、冷却CCDカメラを使用して撮影しました。 この天体は思ったよりも淡いようで、このFが暗めの組み合わせでは画面が少々荒れてしまいました。 また、南の方向に都市部の光害があったのも災いしました。 できれば、南天の暗い観測地に明るい望遠鏡を持ち込んで、時間をかけて撮影してみたい天体です。 とはいえ、冷却CCDカメラの威力でこのらせん星雲独特の微妙な濃淡や、周囲に淡く広がる弓状の構造を写し出すことができました。
Imaging information
撮影機材: タカハシTOA130S,TOA35フラットナー, Pentax MS-5赤道儀
使用カメラ: SBIG ST2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター
露出時間: L:10分×12, RGB:各10分×2
画像処理ソフト: Stellaimage5, PhotoshopCS
撮影場所: 岡山県吉永町,2006年撮影