太陽に近づくアイソン彗星
ISON C/2012 S1
Takayuki Yoshida
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太陽に近づくアイソン彗星 2013年10月2日の様子
アイソン彗星(ISON C/2012 S1)は、2012年9月に発見された彗星で、観測当初の予想光度から、 「世紀の大彗星」と騒がれるようになりました。
アイソン彗星が太陽に最も近づくのは、2013年11月28日です。 この時、アイソン彗星は太陽に117万kmの距離まで近づくため、金星や月を超える明るさになるのではないかと予想されています。 彗星の最大光度予測は難しいため、実際のところはフタを開けてみないとわかりませんが、 2013年の秋現在、全天で最も注目されている天体と言えます。
その太陽に近づくアイソン彗星(ISON C/2012 S1)を、10月初めに天体望遠鏡と冷却CCDカメラを使って撮影したのが上の写真です。 モノクロの一枚画像ですが、焦点距離2100ミリの天体望遠鏡を使用したので、尾が右上に伸びている様子がよくわかります。 当初の光度予測と比べると、アイソン彗星の光度はかなり暗いようですが、 尾が発達しながら太陽に近づているのがわかりました。
なお、アイソン彗星のすぐ右上に写っているボンヤリした天体は、 PGC27320という番号が付けられた系外銀河のようです。 この画像を撮影した時は、アイソン彗星はしし座の頭付近で輝いていました。 この後、アイソン彗星は、しし座のα星レグルスに近づいていき、10月末には火星に最も近づきます。 この3つの天体の近づく様子を、望遠レンズとデジタル一眼レフカメラで捕らえてみるのも面白いのではないでしょうか。
Imaging information
撮影機材: タカハシ ミューロン300CR(レデューサー使用), ペンタックスMS-5赤道儀にて追尾
使用カメラ: SBIG STL-11000M 冷却CCDカメラ
露出時間: 180秒x1コマ, モノクロ画像
撮影場所: 岡山県備前市吉永町, 2013年10月2日撮影