パンスターズ彗星
Panstarrs C/2011 L4
Takayuki Yoshida
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パンスターズ彗星 2013年3月11日の様子
3月10日に太陽に最も近づいたパンスターズ彗星の一日後の姿です。 日没後に撮影場所に着いてから双眼鏡で西方向を探してみましたが、夕方の赤みを残した薄明の空は明るすぎて星は全く見えません。 この明るさのため、パンスターズ彗星をしばらくの間見つけることができずに時間だけが経っていきました。
しかしその後も根気強く西空を探していると、天頂付近の星々が見えだした頃、 西方向よりも若干北寄りで輝いているパンスターズ彗星を双眼鏡の視野内に捉えることができました。 彗星自体は思っていたよりも小さく感じましたが、彗星核の明るさはしっかりしており、 短いながらも左上に伸びる尾も双眼鏡で確認できました。
双眼鏡を横に置いて、望遠レンズとデジタル一眼レフカメラで撮影したのが上の写真です。 赤道儀を設置する時間がなかったため、カメラ三脚にカメラとレンズを固定しての撮影でしたが、尾がうっすらと写っているのがわかります。 右上の画像は彗星の部分だけを切り抜いた写真です。 こうして拡大してみると、パンスターズ彗星の尾の様子がよくわかります。
彗星の写っている大きさを考えると、パンスターズ彗星を迫力ある姿で捉えるには、天体望遠鏡を使った直焦点撮影の方がよさそうです。 しかしパンスターズ彗星は夕方の僅かな時間しか見えないため、撮影場所に着いてからの準備の時間が短く、北極星も見えない時間帯なのが問題です。 本格的に撮影できるのは、パンスターズ彗星が明け方の空に移った4月の頃かもしれません。 明け方ならば、彗星が昇ってくるまでの間に極軸を合わせたりして、天体望遠鏡を準備しておく時間が取れるためです。
なおパンスターズ彗星は、全天自動サーベイシステムの「Panoramic Survey Telescope And Rapid Response System(略 PANSTARRS)計画」で発見された新彗星です。 ハワイマウイ島のハレアカラにある口径1.8メートルの望遠鏡で発見されたときは、 この彗星はさそり座方向で輝いていました。 その後、彗星であることがわかり、C/2011 L4 (PANSTARRS) と名付けられました。 これからしばらくの間、私たちの目を楽しませてくれる彗星です。 詳しい彗星の位置などは「パンスターズ彗星の情報ページ」をご覧下さい。
Imaging information
撮影機材: キャノンEF200mmF2.0L USM, 固定撮影
使用カメラ: キャノンEOS5DMarkII
露出時間: 1.6秒, F2.5
撮影場所: 岡山県備前市, 2013年3月11日撮影