アルゴ座
Argo Navis
Takayuki Yoshida
- Previous photo: ケンタウルス座
アルゴ座の概要
「アルゴ座」は、かつて南天に存在していた巨大な星座で、プトレマイオスの48星座にも数えられた古い星座です。 しかし、星座の定義が時代によって少しずつ変更されてきた結果、アルゴ座は1つの星座としては大きすぎるとされ、 「りゅうこつ座」、「ほ座」、「とも座」の3つの星座に分割されました。 現在の星図では、アルゴ座は、天文学者ラカーユが設定した、「らしんばん座」とまとめられて、 大きな船の星座絵に描かれています。
アルゴ座は南半球の星座ですので、現在の日本やヨーロッパでは、アルゴ座の全景を見ることは困難です。 しかし、プトレマイオスが生きていた頃は、地球の歳差運動のため、 ヨーロッパでもアルゴ座の全景を眺めることができたと考えられています。 古代の人は、地中海に浮かぶ星の並びを見て、アルゴ座という海を渡る大船の星座を生み出したのでしょう。
アルゴ座は、ギリシア神話に登場するアルゴ船を表した星座です。 アルゴ船は、コルキスにいる黄金の羊の毛皮を取りに行く冒険のために建造されました。 神話では、ヘラクレス、ポルックス、カストルをはじめとしたギリシア神話の英雄たちがアルゴ船に乗り込み、 冒険の旅が始まります。
アルゴ座は巨大な星座ですので、全景を把握するのは容易ではありませんが、 りゅうこつ座のα星カノープス(写真中央右下の明るい星)を目印にして、星図を参照しながら、 一つずつ星を結んでいくと全体像が浮かび上がってくると思います。 アルゴ座の左で輝く「みなみじゅうじ座」もよい目印になるでしょう。
ところで、写真のアルゴ座の部分に、ボンヤリと写っている赤い星雲は、ガム星雲です。 ガム星雲は、天体撮影用にフィルターを交換したデジタルカメラを使えば写し出すことができますので、 南半球に出かけたら、アルゴ座と一緒に撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
星座名 | 英語名 | 略号 | 星数(5.5等まで) | 特徴 | 季節 |
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アルゴ | Argo Navis | - | - | かつて南天に存在していた巨大な星座 | 冬から春 |
Imaging information
撮影レンズ: タムロンSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD レンズ(20mmで撮影)、ディフュージョンフィルター使用
使用カメラ: ニコンD810A
撮影方法: ユニテックSWAT-200にて追尾撮影
露出時間: 180sec×4, F3.2, ISO1600
撮影場所: オーストラリア パース郊外、2016年撮影