クジラ銀河 NGC4631
クジラ銀河 NGC4631
NGC4631は、りょうけん座にある真横を向いた系外銀河です。 銀河の形が海に浮かぶ鯨のように見えることから「クジラ銀河」の愛称があります。 クジラの他にも、魚のニシンに似ているという天文ファンもいます。
NGC4631は、地球から約3,000万光年ほど離れた宇宙に位置しています。 銀河の中心付近では、スターバーストが発生していると考えられており、星形成が活発に行われている領域です。 また、NGC4631のすぐ近くには、伴銀河NGC4627が存在していて、互いの重力作用で銀河の形が歪められています。 天文学の視点からも興味深い天体の一つです。
NGC4631の見かけの明るさは、9.8等級と暗めですが、長辺の長さは15分ほどもあります。 口径の大きな天体望遠鏡で観望すると、細長く横に伸びた姿を確認することが出来ます。 私の観望した印象では、クジラのようには見えず、細長いカタクチイワシのようでした。
長焦点望遠鏡でNGC4631を単独で狙っても面白いですが、焦点距離800ミリ前後の望遠鏡を使って、 NGC4627と一緒に撮るのも興味深いでしょう。 位置関係や構図については、春の銀河ギャラリーの「NGC4631とNGC4627」の写真をご覧ください。
Imaging information
撮影鏡筒:タカハシ Mewlon-250CRS、レデューサーCR0.73×使用
望遠鏡架台:ビクセンAXD赤道儀
使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ
冷却CCD用LRGBフィルター:Astronomik Type2C LRGBフィルター
露出時間:L=15分×6枚、RGB=各10分×2枚
(総露出時間2時間30分)
画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015
撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2018年撮影