らせん星雲
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みずがめ座のらせん星雲
らせん星雲は、みずがめ座にある惑星状星雲です。 地球からの距離が約700光年と近いこともあり、惑星状星雲としてはとても大きく見える天体です。 空の暗い場所なら、双眼鏡でも星雲を確認することができ、口径の大きな天体望遠鏡を使用すれば、 ぼんやりとドーナツ状に見えてきます。 ただ南中高度が低いため、南天が開けた場所で観望するようにしましょう。
らせん星雲の魅力の一つは、星雲の色合いです。 残念ながら肉眼では色は認識できませんが、デジタルカメラを使って写真に撮ると、 赤いリングの内側が青色の星雲に満たされたように写ります。 神秘的な色合いをしているため、一般の人にも人気があり、星雲の形が人の目のように見えるという方もいます。
らせん星雲を画面いっぱいに大きく撮るには、天体望遠鏡や超望遠レンズが必要ですが、 200ミリ前後のレンズでも小さいながらも姿や色合いは写るので、 機会があれば撮影されてみてはいかがでしょう。
今回は、TOA130望遠鏡に645フラットナーを取り付けて、冷却CCDカメラを使用して撮影しました。 F値が暗めの光学系のため、若干ノイズが目立ちますが、らせん星雲の特徴的な姿を捉えることができました。 ナローバンドでも撮影されている対象ですが、今回はブロードバンドで撮影し、LRGBカラーで仕上げました。
Imaging information
撮影鏡筒:タカハシ TOA-130、TOA645フラットナー使用
望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀
使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ
冷却CCD用色分解フィルター:Astrodon社 LRGBフィルター
露出時間:L=900secX4、R=G=B=600secX2(2×2ビニング)
画像処理ソフト:ステライメージ9、PhotoshopCC 2020
撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年9月撮影