イータ・カリーナ星雲

Carina Nebula、NGC3372

イータ・カリーナ星雲

Takayuki Yoshida

イータ・カリーナ星雲

イータ・カリーナ星雲は、りゅうこつ座のη星の周りに広がる巨大な星雲で「エータ・カリーナ星雲」とも呼ばれています。 イータ・カリーナ星雲は、みなみじゅうじ座の西側に位置していて、肉眼でも中心部が明るく輝いているのがわかります。 双眼鏡を向けると、星が集まっている様子がよくわかり、星雲もうっすらと広がっているように見えます。 イータカリーナ星雲とみなみじゅうじ座との位置関係は、南十字星の写真をご覧いただくとよく分かると思います。

イータ・カリーナ星雲の中心付近には、キーホールと呼ばれる暗黒星雲が存在しています。 ドアの鍵穴に形が似ていることから付けられた呼び名で、口径の大きな望遠鏡で観望するとその様子がわかります。 オーストラリアで口径10センチのアポクロマート屈折望遠鏡で観察したところ、小さいながらも鍵穴のような暗黒星雲が見え、楽しめました。 もう少し集光力の大きな天体望遠鏡を使えば、周囲の星雲の広がりも見えたことだろうと思います。

このイータ・カリーナ星雲は、オーストラリアのマリーバ郊外にある展望台で撮影した写真です。 Seestarの1枚当たりの露光時間は10秒で、約40分間の画像をスタックし、そのスタック後の画像をパソコンで画像処理しています。 Seestarは電視観望用の手軽なスマート望遠鏡ですが、こうした星雲も良く写るので南半球でも楽しめますね。 今回思い切ってオーストラリアに持って行って良かったと思います。


Imaging information

スマート望遠鏡:ZWO SeestarS50

操作デバイス:Apple iPhone SE3

フィルター:光害カットフィルター使用

スタック時間:約40分

画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020

撮影場所:オーストラリア マリーバ郊外、2024年7月撮影