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いて座のスタークラウド付近

M16,M17,M24

いて座のスタークラウド付近

Takayuki Yoshida

いて座のスタークラウド付近

いて座のスタークラウド付近は、天の川銀河の星々が濃くなった部分で、肉眼でも星が集まっている様子がよくわかります。 中でも「バンビの横顔」と呼ばれる部分は、子鹿の横顔のように見えるので、夏の天の川の中でも天文ファンに人気がある星域です。 写真で下の方で、左を向いて写っているのがバンビの横顔です。 このバンビの横顔の中には散開星団M24も含まれていて、それらの星々が輝きを一層増しています。

写真には、M16M17というピンク色をした散光星雲も写っています(上側がM16になります)。 どちらも大きく明るい散光星雲で、双眼鏡を使えば姿を確認することが出来ます。 M16はイーグル星雲と呼ばれている星雲で、ハッブル宇宙望遠鏡の拡大写真で一躍注目を浴びた天体です。 M17の方は、オメガ星雲、白鳥星雲などと呼ばれています。 どちらも写真に撮ると美しい対象なので、天体望遠鏡を使った直焦点撮影の好ターゲットとなっています。

このいて座のスタークラウド付近は、銀塩フィルムの頃から何度も撮影していた領域です。 明るいため、感度が低い銀塩フィルムでも撮りやすく、ポジ原板でも綺麗に星々が写ってくれました。 今回はデジタルカメラによる撮影ですが、銀塩の豊かな階調を参考にして、強調処理は最小限にして完成させました。


Imaging information

撮影機材: キヤノンEF200mmF2L IS USM (F2.5にて撮影), ビクセンSXP赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=40分(5分x8),R=5minx2, G=5minx2, B=5minx2で撮影
総露出時間 1時間10分

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2013年撮影