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シュミカセ望遠鏡レビュー
2006年04月03日
シュミカセ望遠鏡、私はシュミカセを使うのは初めてだったのですが、使ってみて「結構いい望遠鏡だ。よく見えるな」と思いました。以下雑感です。まずこの望遠鏡で惑星を見たのですが、土星も木星もよく見えました。ただ少しコントラストが低く、バックグランドが明るい感じがしましたが、これは筒内の迷光防止加工をしっかりやれば改善するような気がしました。その後、月を見てみました。こちらは以前掲示板でC9のご感想を教えて頂いていたとおり、少しエッジが太く見えるような気はしましたが、それでも十分シャープです。お借りした時、光軸がよく合っていたのもよかったのでしょう。恒星を高倍率で見ても星周辺部の荒れも少なくて、よい光学系に感じました。
次は今回持ち出して行ったCCD撮影との相性です。まずはピント出しですが、シュミカセはミラーを動かして合焦させるので、ミラーが傾く現象(ミラーシフト)が起こってしまいます。それを減少させる固定金具が売っていますが、この望遠鏡にはついていなかったので、幸運にも(?)そのミラーシフトを実感することができました(笑)。ピントは思った以上にシビアでした。ノブを回しての調整なのですが、最後の追い込みはノブに触れるか触れないかぐらいの調整幅です。それにミラーシフトが起こるので、赤道儀を大きく動かすと僅かにピントがずれてしまいます。対象導入後ごとにピント合わせするという方法を今回採りました。
また、今回はF値が6.3になるレデューサレンズを使ったのですが、このレデューサレンズとCCDとの距離調整に手間取りました。この距離間隔を変えることでF値を少しずつ変更できますが、それと同時に星像と周辺減光特性も変わってきます。いろいろ試すと、メーカー推奨値よりも少し遠ざけた辺りが一番星像と周辺減光の折り合いが良さそうだったので、この位置で撮影しました(今回のM51の画像です)。
シュミカセと言えば賛否両論がおおい光学系ですが、私の使用感としては優れた望遠鏡だと感じました。ただミラーシフトは噂通り厄介で、何かしらの対策が必要でしょう。また周辺減光も大きく表れるので、CCD撮影ではしっかりとフラット画像を撮ることも必須だと思いました(下がこの望遠鏡のフラット画像です)。しかしいくつかの問題はあるものの、上手く使えばRCなどの複雑光学系に匹敵する画像を得られる望遠鏡だと思います。価格もこなれていますし、惑星観望・銀河撮影用に一つ持っていても損はない光学系だと思いました。ん〜C11も一度使ってみたいなぁ(笑)。