馬頭星雲
Horsehead Nebula,IC434,B33,NGC2023
Takayuki Yoshida
- Previous photo:バーナードループ
- Next photo:おおぐま座のM81銀河
オリオン座の馬頭星雲
馬頭星雲は、オリオン座ζ星アルニタクのすぐ南に位置する暗黒星雲です。 暗黒星雲は真っ暗なので、通常は、眼視はもちろん、写真でも捉えることができませんが、 赤く輝く散光星雲IC434が馬頭星雲の背後にあるため、影絵のように暗黒星雲が浮かび上がっています。
馬頭星雲の愛称通り、星雲の形は横を向いた馬の頭に良く似ています。 馬頭星雲の写真は、星雲の例として書籍等にも掲載されることが多いため、 天文ファンだけではなく、一般的に広く知られています。
アルニタク付近を写真に撮ると、IC434が大きく写るため、馬頭星雲も大きな星雲とイメージしてしまいますが、 実際には、大型の系外銀河と同程度の大きさしかありません。 そのため、馬頭星雲だけを大きく写し出そうと思えば、35ミリ換算で焦点距離3000ミリ程度の望遠鏡が必要になります。
今回は、焦点距離2500ミリのタカハシMewlon-250CRSに、 冷却カラーCMOSカメラASI2600MCPを取り付け、直焦点で撮影を行いました。 冬型の気候で気流は悪かったため、星像のシャープさは物足りませんが、 馬頭星雲部分の拡大した写真は、銀塩フィルム時代に天文台で撮影された天体写真に近づいたような気分になります。 これからもこの組み合わせで、小さな星雲のディテールに迫りたいと考えています。
Imaging information
撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS
撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ
赤道儀:ビクセンAXP赤道儀、AO-Lにてオートガイド追尾撮影
カメラの設定:センサー温度 -10℃、ゲイン 100、オフセット 50、1×1ビニング
露出時間:600秒×12コマ (総露光時間:約2時間)
画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020
撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺、2022年撮影