NGC2997 銀河
NGC2997 Spiral Galaxy
Takayuki Yoshida
ポンプ座 NGC2997銀河
NGC2997は、ポンプ座で輝く系外銀河です。 日本では南中高度が低いため、撮影するのは難しい天体ですが、視直径は10′程度あるフェイスオン銀河です。 NGC2997を長焦点望遠鏡で撮影すると、上のような渦巻構造が写り、宇宙に浮かぶ渦巻銀河を感じさせてくれる写真に仕上がります。
NGC2997が属するポンプ座は、春の南天低くで輝く星座で、フランスの天文学者ラカーユによって1756年に設定されました。 それまで星座のなかった星域を埋めるために設定された星座なので、ポンプ座にまつわる神話もありません。 星座絵には、当時、科学実験に使用されていた真空ポンプの絵が描かれています。 ポンプ座は4等級以下の星で構成されているため、夜空の明るい都会では全く見ることができず、そのためもあって、あまり知られていない星座です。
NGC2997の撮影には、焦点距離2500ミリのタカハシMewlon-250CRSと、冷却モノクロCMOSカメラASI2600MMPを用いました。 気流がそれほど良くなかったため、ガイドが不安定で星像が大きくなってしまいましたが、 NGC2997のクルリと巻いた銀河の腕を捉えることができました。 気温が高くなり、気流が落ち着いたころに再撮影したい天体です。
Imaging information
撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS
撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ、Chroma LRGBフィルター使用
赤道儀:ビクセンAXP赤道儀、AO-Lにてオートガイド追尾撮影
カメラの設定:センサー温度 -10℃、ゲイン 100、オフセット 50、1×1ビニング
露出時間:L=300秒×8コマ、R=G=B=各300秒×2コマ (総露光時間:約1時間10分)
画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020
撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺、2022年撮影