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カタリナ彗星(C/2013 US10)

C/2013 US10 Catalina

カタリナ彗星

Takayuki Yoshida

カタリナ彗星(C/2013 US10) 2015年12月9日の様子

カタリナ彗星(C/2013 US10)は、2013年10月、米国アリゾナ大学のカタリナ・スカイサーベイによって発見された彗星です。 発見された当初は大変暗く、それほど話題にはなりませんでしたが、その後、 2015年末にかけて明るさを増して肉眼彗星になるのではないかということになり、注目を集めていました。

カタリナ彗星が太陽に最も近づいたのは、2015年11月26日です。 その後、太陽との距離は遠くなっていきますが、地球に近づいてくるため、 好条件が期待され、11月末以降は4等級前後になるのではと予想されていました。 ところが実際には、12月初めで6等級程度の明るさで、残念ながら肉眼では見えず、 双眼鏡を使ってやっと位置を確認できる程度でした。

明るさは予想を下回りましたが、カタリナ彗星は長い尾を伸ばしたので、 天体写真ファンを中心に人気が高まりました。 上は、12月9日の早朝に撮影したカタリナ彗星の写真です。 彗星の尾が二手に分かれて伸びており、 特にイオンテイルは長く、写真の構図からはみ出しそうなくらいです。 これからしばらくの間、撮影が可能ですので、星空の綺麗な場所で撮影を続けたいと思っています。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8鏡筒

撮影カメラ:ニコンD810A

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀(PEC使用)

カメラの設定:ホワイトバランス色温度5700K、ISO1250、RAWモード

露出時間:90秒×8コマ

画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺