散開星団 M11

Wild Duck Cluster、M11

M11 散開星団

Takayuki Yoshida

たて座 M11星団

M11は、たて座に属する散開星団です。 たて座は、わし座といて座の間に存在する星座ですが、 4等星以下の暗い星ばかりで構成されているため、目立たない星座です。 M11はたて座のβ星の少し南で輝いていて、視等級は5.8等と散開星団としては明るく、 視力の良い人なら裸眼でも位置を確認することができます。

M11は、星の密集度が高いため、双眼鏡で観望すると球状星団のように見えます。 天体望遠鏡の中倍率ぐらいで観察すると、星がまばらに分解されてきて、 天の川銀河の微恒星と相まって、視野一杯に星々が広がります。 海外では、M11のことを「野鴨星団(Wild Duck Cluster)」と呼んでいるので、 大きな望遠鏡で観望する機会があれば、確認してみてください。 残念ながら、私には、鴨が群れている様子には見えませんでした。

M11散開星団の撮影には、2004年末に発売されたビクセンの屈折望遠鏡「ED103S」を用いましたが、 補正レンズは現行のレデューサーHDを取り付けています。 最新設計の補正レンズの性能は素晴らしく、35ミリフルサイズ最周辺までほぼ点像を保っていました。 星々の多い領域なので、シャープな光学系で撮りたい被写体ですね。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン ED103S(デジタル対応SD改造サービス実施)、SDフラットナーHD+レデューサーHD 使用

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀、オートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、RAWモード

露出時間:480秒×3コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:奈良県五條市大塔村、2020年撮影