ふたご座M35、モンキー星雲付近
M35,NGC2174,IC443
Takayuki Yoshida
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ふたご座M35、モンキー星雲付近
ふたご座のM35散開星団付近は、銀塩フィルムの頃からよく撮影されてきた対象です。 冬の天の川の微恒星をバックに散開星団や散光星雲が輝いているので、 写真撮影だけでなく観望にも適した星域です。 写真中央左よりの明るい星がふたご座のη星ですので、これを目安に探すと分かりやすいでしょう。
散開星団M35は、写真右上に写っている星の集まりです。 M35は満月ほどの広がりがあり、天文ファンによく知られている散開星団です。 M35は5等級と明るいので、星空の綺麗な場所なら肉眼でもぼんやりと存在がわかります。 双眼鏡を使えば、星が集まっている様子がよくわかり、大変美しい散開星団です。 M35のすぐ右隣に、小さな星の集まりが写っていますが、こちらは散開星団NGC2158です。 天体望遠鏡の低倍率では、二つの星団が同じ視野内に見えてきて、 更に美しいながめを楽しめます。
ふたご座η星の周りで輝いている赤い星雲は、クラゲ星雲の愛称で知られるIC443です。 クラゲ星雲は大変淡いので肉眼で見ることはできませんが、 その独特の形から天体写真ファンに人気のある天体です。 クラゲ星雲は、大昔に超新星爆発した恒星の名残だと考えられています。
右下に写っている赤い星雲は、散光星雲NGC2174です。 星雲の形が猿の横顔に似ていることから、モンキー星雲と呼ばれています。 モンキー星雲は比較的明るい星雲なので、天体望遠鏡を使えば肉眼でもぼんやりとその存在がわかるでしょう。 明るく写しやすいので、F値の暗い天体望遠鏡でも比較的よく写る天体です。 なお、モンキー星雲はオリオン座に属しています。
この写真は、IRフィルターを換装したデジタル一眼レフカメラと焦点距離200ミリの明るい望遠レンズを使って撮影しました。 M35とモンキー星雲を右寄りに配置して、クラゲ星雲と三角形になるように構図取りしましたが、 APS-Cサイズのデジカメでしたので、クラゲ星雲から左に広がる淡い星雲が途中で切れてしまいました。 35ミリフルサイズデジカメなら、淡い星雲も含めて撮影できたでしょう。 また、縦構図だけでなく、横構図で撮影しても面白い領域だと思います。
Imaging information
撮影光学系: キヤノンEF200mm F2L IS USM、LPS-P2フィルター使用
使用カメラ: Astro60D(キヤノンEOS60Dフィルター換装、冷却改造モデル)
カメラの設定: ホワイトバランスプリセット、ISO1600、RAWモード、絞りF2.5
赤道儀: タカハシP-2Z赤道儀、ノータッチ追尾撮影
露出時間: 200秒×8コマ
画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCS5
撮影場所: 岡山県備前市