玉置山山頂から見たさそり座

The constellation Scorpius rising

玉置山山頂から見たさそり座

Takayuki Yoshida

玉置山山頂から見たさそり座

奈良県十津川村の玉置山は、奈良県と和歌山県の県境に聳える山です。 玉置山の山頂は、遠く熊野の海まで見通せる場所として知られていて、沖見岳とも呼ばれています。 それだけ視界が開けていれば、さそり座全景と天の川を撮影できるだろうと考えて、 真夜中にポータブル赤道儀とデジタル一眼レフカメラを担いで山頂に登ってみました。

駐車場から山頂までは片道20分前後の登山道です。 この道は険しいところもなく、散策気分で歩ける道でしたが、 真夜中に歩いたので辺りは真っ暗。ことなく不気味な雰囲気がただよっていました。 電波塔の横を通り抜けてシャクナゲ林を過ぎると、三角点が埋まった山頂がありました。 山頂は思っていたよりも狭く、南方向には木が植わっていました。 地平線まで視界が開けているのは、南東方向の木々の間だけでした。

ちょうど南東の空からさそり座が昇ってきていたので、 ポータブル赤道儀を急いでセットして、木々の間に星座が収まるように構図取りして撮影しました。 この夜は春霞があったためか、低空の透明度は悪く星々は潤んでいました。 そのため天の川もぼんやりとしか見えず、写真でも下の方の星は霞んでいます。

写真の下の方は白く明るくなっていますが、これは新宮市の光害の影響でしょう。 最近、十津川村でも南方向の光害が気になることがありますが、 田舎でもこうした地方都市の光害が増えているのでしょうね。 さそり座は南に低いので、こうした光害の影響を大きく受けてしまいます。


Imaging information

撮影レンズ: キャノンEF24mm F1.4LII USM, ディフュージョンフィルター使用

使用カメラ: キャノンEOS5DMarkII, ISO1600, RAW, F2.5

撮影方法: ポータブル赤道儀 SWAT-200で追尾撮影

露出時間: 120秒

画像処理ソフト: PhotoshopCS5

撮影場所: 奈良県十津川村 玉置山山頂