干潟星雲と猫の手星雲

M8,NGC6559,Milkyway

干潟星雲と猫の手星雲

Takayuki Yoshida

干潟星雲と猫の手星雲

干潟星雲とその東側に広がる、通称「猫の手星雲」を写した写真です。 夏の天の川銀河には数多くの星雲が存在していますが、干潟星雲(M8)はその中でも特に明るく、 双眼鏡でもよく見えるため、天文ファンに親しまれている天体です。 猫の手星雲は、M8から少し西で輝く星雲で、写真では、M8と淡い星雲で繋がっているように写ります。

M8と比べると、猫の手星雲は淡く、写りにくい天体ですが、 青色をした星雲も存在しており、色鮮やかで美しい星雲です。 この星雲の部分だけクローズアップ撮影するのも人気があるので、 焦点距離が長い光学系をお持ちなら、是非縦構図で狙っていただきたい対象です。

今回、撮影には、口径8センチのビクセンSD81S天体望遠鏡を使用しました。 以前は、対物レンズの錫箔の影響で輝星に不自然な回折模様が発生していましたが、 撮影前にリングスペーサーに交換していただき、星像が一段と引き締まりました。

梅雨入り前の不安定な天候のため、4枚しか撮影できませんでしたが、 星雲のディテール感は良好で、口径8センチの望遠鏡でここまで写るのかと感じました。


Imaging information

撮影鏡筒:ビクセンSD81S(リングスペーサー交換)、SDレデューサーキット使用

望遠鏡架台:ビクセン SXP赤道儀にてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ(Clearフィルター換装)

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:IDAS LPS-D3フィルター使用

露出時間:L=480秒×8枚

画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年5月撮影