アンタレス付近と暗黒帯

The Antares and Rho Ophiuchi Region

アンタレス付近と暗黒帯

Takayuki Yoshida

アンタレス付近と暗黒帯

さそり座は、夏を代表する星座の一つです。 さそり座の中で最も明るい恒星がアンタレスで、太陽の約700倍の大きさの赤色巨星だと考えられています。 写真の右下寄りに写っている黄色い星がアンタレスです。 アンタレスの周囲には赤・黄・青の色鮮やかな星雲も輝いており、 夏の夜空の被写体として、天体写真ファンに大変人気のある星域になっています。

今回は星雲メインではなく、構図を少しずらして、アンタレス上方から西方向に伸びる暗黒帯を表現しました。 写真を見てみると、2本の大きな暗黒帯が西方向に伸びているのがわかります。 暗黒帯には濃い部分と薄い部分があるようで、なかなか興味深い形をしています。 この部分だけクローズアップ撮影しても面白いかもしれません。

このアンタレスと暗黒帯の写真は、シグマの明るい望遠マクロレンズと、 天体撮影用に改造したキヤノンEOS6Dを使用して撮影しました。 レンズやカメラを載せる架台には、高精度のポータブル赤道儀「ユニテックSWAT-350」を使用したので、 機材全体が全体的に軽量・コンパクトにまとまり、設置・撤収がとても楽でした。


Imaging information

撮影光学系:シグマ APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM レンズ

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D フィルター換装・冷却改造モデル)

赤道儀:ユニテック製 SWAT-350 ポータブル赤道儀にて追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1600、F3.5、IDAS HEUIB-IIフィルター

露出時間:240秒×16コマ

画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ8、PhotoshopCC 2015、Nik Collection

撮影場所: 奈良県五條市大塔町、2017年撮影