デネブ周辺の散光星雲
Nebula complex around Deneb, NGC7000
Takayuki Yoshida
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デネブ周辺の散光星雲
はくちょう座には、北アメリカ星雲やペリカン星雲をはじめ、大型の散光星雲が数多く輝いています。 そのため、はくちょう座は「星雲の巣」と呼ばれることもあります。 中でも、はくちょう座α星のデネブ付近に広がる星雲は、コントラストが高く、 星雲の形も面白いので、天体写真ファンに人気のある星域です。
今回は、デネブ付近に広がる星雲の全体像を写し出すため、明るい望遠レンズを使ってモザイク撮影を行い、 パソコン上でつなぎ合わせて1枚の写真に仕上げました。 最終的に12写野を撮影して1枚に仕上げたため、最終作品の総画素数は1億画素を超えています。 拡大率が低く抑えられたため、写真の星々はとても小さく表現することができました。 赤い星雲のコントラストが強調され、まるでナローバンドフィルターを使って撮影した写真のように感じます。
一コマ当たりの露光時間が短かったため、オートガイド装置は使わず、 タカハシP-2赤道儀のノータッチ追尾で撮影を行いました。 タカハシP-2赤道儀は、追尾精度がよいため、星は点像に写ってくれましたが、 写野の移動が手動になるので構図の微調整が大変です。 やはり、モザイク撮影を行うなら、二軸モーターの付いた赤道儀が便利ですね。 自動導入機能のある赤道儀と、統合撮影ソフトのステラショットを用いれば、 ほぼ全自動でモザイク撮影を楽しめると思います。
Imaging information
撮影光学系:キヤノンEF200mm F2.0L IS USMレンズ
撮影カメラ:Astro60D(キヤノンEOS60D フィルター換装・冷却改造)
赤道儀:タカハシP-2Z赤道儀にて追尾
カメラの設定:マニュアルWB、F2.5、ISO1000、RAWモード、アイダス HEUIB-IIフィルター使用
露出時間:150秒×2コマ、12写野モザイク合成
画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015
撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2015年撮影