M56 球状星団


こと座のM56球状星団

こと座は、夏を代表する星座の一つで、α星のベガは、七夕の織姫星としても良く知られています。 こと座の中には、二つのメシエ天体が輝いていますが、 その一つが、上の写真のM56星団です。 M56は、1779年にシャルル・メシエ自身によって発見されました。 メシエの使っていた天体望遠鏡では、星の集まりには見えなかったようで、 「星のない星雲。ほとんど輝きはない。」と記録しています。

球状星団は、星がボール状に集まった天体です。 夏は数多くの球状星団が見える時期で、ヘルクレス座のM13やいて座のM22が視直径が大きく、 天文ファンに人気があります。 M56は、それらの球状星団に比べてとても小さく、ファインダーや双眼鏡では、星の集まりであることがよくわかりませんでした。 しかし、口径25センチの天体望遠鏡で観察すると、星が分離されて球状星団らしい姿を楽しむことができました。

M56は、夏の天の川銀河の流れの中に位置しているため、写真に撮ると、 球状星団の周りに、色とりどりの微恒星がたくさん写って、華やかな印象に仕上がりました。 こと座は日本では、天頂付近で輝くので、低空の大気の影響を受けにくいのもありがたいですね。 長焦点の光学系を使って、思い切って拡大撮影するのも面白いかもしれません。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS、レデューサーCR0.73×使用

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀にて追尾

カメラの設定:マニュアルWB、ISO1600、RAWモード

露出時間:720秒×2コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影