紀伊半島の天の川
Milkyway in Summer
Takayuki Yoshida
紀伊半島の天の川、さそり座といて座
数多くの夏の星座の中でも、さそり座といて座は、天文ファンにとって特別な存在ではないでしょうか。 さそり座は、緩やかにS字にカーブした星の並びが特徴的な星座で、 星空の綺麗な場所で見上げれば、すぐにさそり座だとわかります。 さそり座は、冬のオリオン座と並んで、最も形が整った星座の一つとも言われています。
いて座は、天の川の最も太く、明るく輝く部分に位置する星座です。 そのため、明るい散光星雲や球状星団が多く存在していて、天体写真ファンに人気の高い星域です。 いて座のモデルとなっているのは、半身半馬のケイローンです。 中国では南斗六星として知られ、長寿を司る星として親しまれています。
さそり座といて座の天の川は、星空にあってダイナミックで写真栄えする星域ですが、 日本からは高度が低く、なかなかクリアに写しだすことができません。 また、日本列島の南側に都市が集中しているため、光害の影響で、南方向の空は明るくなってしまっています。
しかし、この写真を撮影した夜は幸いにも低空まで晴れ渡り、コントラストの良い元画像を得ることができました。 また、南側に大都市がない紀伊半島で撮影したため、光害の影響も少なく、 低空まで色合い豊かな写真を得ることができました。 やはり良い星空写真を撮るには、夜空の状態がとても重要ですね。 改めて紀伊半島の星空の貴重さを感じた一枚です。
Imaging information
撮影光学系:タムロンSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD レンズ(焦点距離30mmで撮影)
撮影カメラ:ニコンD810A
赤道儀:タカハシP-2赤道儀
カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1600、F3.5、RAWモード
露出時間:180秒×2コマ
画像処理ソフト: PhotoshopCC 2015
撮影場所: 奈良県五條市大塔町高野辻、2016年7月撮影