網状星雲全景

Veil Nebula,NGC6992-5,NGC6990

網状星雲全景

Takayuki Yoshida

網状星雲全景

網状星雲は、はくちょう座ε星の近くに輝く星雲で、天体写真ファンに人気の高い天体です。 網状星雲は大きく東西の2つの部分に分かれており、Hα光に対する感度の高いデジタル一眼レフカメラで撮影すると、 星雲の明るい部分が平仮名の「い」の形のように写ります。上の写真は網状星雲の全景ですが、 星雲の東側部分と西側部分に着目すると、星雲がやや右に傾いた「い」の形をしているのがわかります。

網状星雲は、約2万年前に、太陽の25倍もの質量のある恒星が大爆発したときの残骸だと考えられています。 暗い天体のため、肉眼で見ることはできませんが、口径の大きな双眼鏡や望遠鏡を使うと、 明るい部分を確認することができます。 また、コントラストを上げる眼視用の干渉フィルターを使えば、 星雲の絡まった様子まで見ることができます。そのため、天体観望会などでもよく紹介される天体です。

この写真は、ビクセンの明るい短焦点アストログラフ「VSD100F3.8」で撮影しました。 F値が3.8と明るいので、短時間露出でも淡い星雲を明るく、そしてコントラスト良く写し出してくれました。 但し、明るいために、接眼部のスケアリングにはシビアで、通常のビクセン直焦ワイドアダプターとカメラマウントでは、 少々強度不足に感じました。 2015年11月、ビクセンから、直焦ワイドアダプターDXのキヤノンEOSマウントが発売されましたので、 是非、ニコンマウントのリリースもお願いしたいところです。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8鏡筒

撮影カメラ:ニコンD810A

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀

追尾方法:MGEN-75GSS(Kowa75mmレンズ+M-GENスーパーガイダー)
にてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランス色温度5700K、ISO1250、RAWモード

露出時間:300秒×8コマ

画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺