昇るオリオン座
Orion Rising
Takayuki Yoshida
昇るオリオン座
全天の中で最も有名な星座と言えば、オリオン座でしょう。 オレンジ色のα星ベテルギウスに、青白く輝くβ星のリゲルだけでも十分目立ちますが、 オリオンの腰の辺りには、3つの2等星からなる三つ星が輝いています。 2等星以下の暗い星だけで構成されている星座も多いというのに、オリオン座はなんと贅沢な星座なのでしょう。
オリオン座は明るい星が多いので、夜空が明るい都会の空でも見つけることが出来ます。 しかし、星空の綺麗な場所で見えるオリオン座の迫力は、都会で見るそれとは比べものになりません。 寒い冬、夜空に爛々と輝くオリオン座を眺めていると、畏敬の念すら感じてしまいます。 この星の並びを見た古代の人々が、巨人の姿を想像したのも分かるような気がします。
星空が好きな方なら、一度はオリオン座をご自分のカメラで撮影したいと思うのではないでしょうか。 この写真は、デジタル一眼レフカメラをカメラ三脚に固定して、露出時間20秒で撮影しました。 いわゆる固定撮影という方法で、風景写真と同じような感覚で撮影することが出来ます。 今回はF値が明るいレンズを使用していますが、開放F値が2.8前後の広角ズームレンズでも綺麗に写すことが出来ます。 星を滲ませるために、レンズにケンコーのPROソフトンAフィルターを取り付けて撮影しています。 (詳しい方法は、固定撮影の方法をご覧下さい)
撮影したカメラは、IRフィルターを天文用に換装したデジタル一眼レフカメラです。 天文改造モデルの方が、赤い星雲をよりはっきりと写し出すことができますが、 今回のような星野写真なら、市販のカメラでもほぼ同じように写すことができます。 この冬、アイソン彗星を見に行ったら、オリオン座の撮影にもチャレンジしてはいかがでしょうか。
Imaging information
撮影光学系: キヤノンEF24mm F1.4L II USM, ソフトフィルター使用
使用カメラ: キヤノンEOS60D(フィルター換装, 冷却改造(冷却OFF)
カメラの設定: ホワイトバランスプリセット, ISO3200, RAWモード, 絞りF1.8
露出時間: 20秒, 固定撮影
画像処理ソフト: PhotoshopCS5
撮影場所: 奈良県十津川村