ペリカン星雲
Pelican Nebula、IC5070
Takayuki Yoshida
ペリカン星雲
ペリカン星雲は、はくちょう座α星デネブの近くに輝く散光星雲で、 その形がクチバシの大きなペリカンのように見えることから、この愛称があります。 ペリカン星雲のすぐ隣には、天文ファンによく知られている北アメリカ星雲が輝いています。 両天体は、本来は一つの大きな星雲なのですが、手前に暗黒星雲があって星雲の光を遮っているため、 二つの天体のように見えています。
ペリカン星雲は、Hα光を発して輝く散光星雲のため、肉眼ではその姿を見ることはできません。 大口径の望遠鏡にネビュラフィルターを使えば、微かにその姿を捉えることは可能ですが、 観望対象というよりも撮影対象として人気が高い天体です。 撮影する場合は、Hα光の透過率が高いデジタルカメラを使用する必要があります。 また、気温の高い夏場の撮影になるため、ノイズが少ないカメラを用いることも大切です。
ペリカン星雲は、500ミリ前後の光学系を使用して北アメリカ星雲と一緒に撮影されることの多い天体ですが、 今回は、タカハシMewlon-250CRS望遠鏡を使用し、画面一杯にペリカン星雲を捉えました。 天候の関係で撮影枚数が予定よりも少なくなってしまいましたが、画像はそれほど荒れず、 ペリカンのディテールを表現することができました。
Imaging information
撮影光学系:タカハシMewlon-250CRS、レデューサー使用
撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D、フィルター換装・冷却改造カメラ)
赤道儀:ビクセンAXD赤道儀、M-GENオートガイダーにて追尾
カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1600、RAWモード
露出時間:720秒×6コマ
画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015
撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影