オメガ星団
Omega Centauri, NGC 5139
Takayuki Yoshida
ケンタウルス座のオメガ星団
オメガ星団は、ケンタウルス座に位置する全天で最も大きな球状星団です。 日本からも観測することが出来ますが、東京での南中高度は7度前後にしかならないため、 クリアに観測するのは難しい天体です。 その点、南半球では天頂付近に見えるので、この全天一大きな星団をじっくりと観測・撮影することが可能です。
オメガ星団という呼び名は、当初この星団が一つの恒星と考えられていて、 ケンタウルス座ω(オメガ)星という符号を与えられたことに由来します。 肉眼で見ると確かに恒星のように見えますが、 双眼鏡を使ってオメガ星団を観察すると、星の周辺がぼんやりと見え、 恒星とは明らかに異なることがわかります。
今回のテカポ撮影旅行では、マウントジョン天文台の口径40センチの天体望遠鏡を使ってオメガ星団を観察する機会に恵まれました。 オメガ星団を望遠鏡の視野に入れると、目の前一杯に微恒星が集まり、素晴らしい眺めでした。 日本でも口径40センチのドブソニアンでこの星団を見たことがありますが、 低空の大気の影響を受けて、星々の輝きが今一つでした。 是非、南半球でじっくり観察したい天体の一つだと思います。
このオメガ星団の写真は、焦点距離200ミリの望遠レンズで撮影しました。 通常、球状星団を撮影するのに中望遠レンズは適さないのですが、オメガ星団は視直径が大きいので、 なかなか迫力ある写真に仕上りました。 次回は、500ミリ以上のレンズで狙ってみたい対象です。
Imaging information
撮影レンズ: キヤノンEF200mm F2L IS USM
使用カメラ: キヤノンEOS60D(IRフィルター換装)
露出時間: 130sec×4コマ, F2.5, ISO1250
撮影方法: タカハシP-2赤道儀にてノータッチ追尾撮影
撮影場所: ニュージーランド レイクテカポ