ばら星雲

Rosette Nebula,NGC2244

ばら星雲

Takayuki Yoshida

いっかくじゅう座のバラ星雲

オリオン座の隣には、 いっかくじゅう座という星座が輝いていますが、 暗い星ばかりで構成されているため、知名度は低く、存在を知らない方も多い星座です。 しかし、そのいっかくじゅう座の中には、薔薇とそっくりな形をした「ばら星雲」が輝いていて、こちらの天体の方が有名になっています。 ばら星雲は天体写真ファンの人気の被写体で、写真に撮ると赤っぽい色合いに写り、本当のばらの花が咲いたような姿を楽しめます。

ばら星雲は、星間ガスが電離して出来た輝星星雲の一種で、淡く広がっている天体のため、 肉眼で捉えるのは望遠鏡を使っても困難ですが、極めて条件の良い空の下なら、双眼鏡でも薄っすらとその形を確認することができます。 以前、大台ケ原で双眼鏡でばら星雲の姿を確認することができ、感動したのを覚えています。 綺麗な星空と出会ったら、ばら星雲探しにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

天体写真ファンに人気のばら星雲ですが、ばら星雲のことを「骸骨星雲」と呼ぶ天文ファンもいます。 真ん中に空いた黒い暗黒星雲部分を骸骨の左目と想定すると、確かに左を向いた人間の骸骨の様に見えてきます。 そのように想像すると、宇宙に美しく咲いた薔薇の姿が、なんだか恐ろしい様相にも感じられます。

この作品は、35ミリフルサイズセンサーを持つ冷却CCDカメラと、 高性能屈折天体望遠鏡で撮影しました。 ばら星雲は比較的大きな星雲ですので、天体写真専用のデジタルカメラを使用すれば、望遠レンズでも容易に撮影することが出来ます。 冬の天体の撮影シーズンになったら、ばら星雲の撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょう。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ TOA-130望遠鏡、レデューサーレンズ

撮影機材:タカハシ NJP赤道儀にて追尾、セルフガイド追尾にて撮影

使用カメラ: SBIG STL-11000M冷却CCDカメラ、Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L画像=80分(10分×8枚)、R=20min, G=20min, B=20min(RGB:2x2binned)

画像処理ソフト: Stellaimage7, PhotoshopCC

撮影場所: 岡山県備前市吉永町、2006年撮影