カラフルなアンタレス付近
Antares Nebula,Rho Ophiuchi cloud complex,M4
Takayuki Yoshida
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カラフルなアンタレス付近
さそり座とへびつかい座の星座境界に広がっている、色鮮やかでカラフルな星雲群を撮影した写真です。 写真中央左寄りに写っているオレンジ色の明るい星が、さそり座α星のアンタレス、 写真上部の青い星雲の中で輝く星が、へびつかい座のρ星です。 日本では「アンタレス付近」の愛称で、広く知られている対象ですが、 海外では、「Rho Ophiuchi Nebula Complex(へびつかい座のρ星付近の星雲)」と呼ばれることが多い星雲群です。
今回は、アンタレスの周囲に広がる色鮮やかな星雲を、 ZWO社の冷却CMOSカメラ「ASI2600MC Pro」と望遠レンズ「キヤノンEF200mmF2L IS USM」で撮影しました。 使用した冷却CMOSカメラには、APS-Cサイズのセンサーが搭載されていることもあり、 焦点距離200ミリでバランスの良い画角になりました。 35ミリフルサイズでしたら、300ミリ程度の画角となります。
撮影した夜は、PM2.5の影響で低空の透明度は若干悪いように感じましたが、 アンタレスが南中する高さは星空も透き通って見え、広角レンズで撮影した写真にもぼんやりとカラフルな星雲が写っていました。 アンタレス付近は、銀塩フィルムの頃から、数えられないほど撮影していますが、 さそり座が昇る時期なると、ついついレンズを向けてしまいますね。 今年は画像処理時に彩度を高めにして、派手目に仕上げてみました。
Imaging information
撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ
望遠鏡架台:ビクセン SXP赤道儀にてオートガイド追尾撮影
撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ(Clearフィルター換装)
カメラの設定:ゲイン0、オフセット50、センサー温度マイナス10度
フィルター:IDAS UIBAR-Vフィルター使用、釣糸クロスフィルター使用
露出時間:L=180秒×24枚、F2.5で撮影
画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020
撮影場所:奈良県五條市大塔村、2022年撮影