M83銀河
M83,The Southern Pinwheel Galaxy,NGC 5236
Takayuki Yoshida
- Previous photo:マルカリアンの鎖
- Next photo:カラフルなアンタレス付近
うみへび座のM83銀河
M83銀河は、うみへび座に位置する棒渦巻銀河で、真上から渦の広がりを見ることができる貴重な天体です。 その美しい渦巻の様子から、南の回転花火銀河の愛称が付けられており、天文ファンに人気があります。 地球からM83銀河までの距離は、1500万光年前後と見積もられており、 見掛けの明るさは7.5等級です。
M83銀河の赤緯はマイナス29度と、天球のかなり南側に位置しているため、 日本からは南中高度が低く、見つけ辛い天体です。 しかし観測条件は悪いものの、M83は系外銀河の中では明るく、 星空の綺麗な場所なら口径5センチ程度の双眼鏡でも、その存在を確かめることができます。
口径8センチ前後の天体望遠鏡で観測すれば、ぼんやりとした円形の星雲のように見えてきて、 口径20センチ以上になると、渦を巻いた様子がなんとなくわかるようになります。 更に大きな50センチクラスになると、淡いながらも巻き付く腕が見えるようになり、棒渦巻銀河らしい姿を楽しめます。
おおぐま座のM83銀河の写真は、口径15センチの屈折望遠鏡タカハシFS-152と、 冷却モノクロCMOSカメラを使って撮影しました。 前回、M83銀河を撮影したのは、2006年の鶴姫公園のことでしたので、約16年ぶりの撮影でした。 撮影機材はいろいろ変わりましたが、M83銀河の美しさは、あの頃のままですね。
※上下左右をトリミングした画像を掲載しています。
Imaging information
撮影鏡筒:タカハシ FS-152、専用フラットナー使用
望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀
使用カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ
露出時間:L=300秒×12枚、R=G=B=各300秒×3枚、ゲイン100、オフセット50
画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020
撮影場所:奈良県五條市大塔村、2022年撮影