マルカリアンの鎖

Markarian's Chain,M84,M86,NGC4477

マルカリアンの鎖

Takayuki Yoshida

マルカリアンの鎖

おとめ座とかみのけ座の星座境界付近にある銀河群を写した作品です。 数多くの系外銀河を一度に写せる星域で、 銀河がまるで鎖のようにつながったように見えることから、マルカリアンの鎖と呼ばれています。 なお、マルカリアンは、この星域の研究したアメリカの天文学者の名前からきています。

マルカリアンの鎖を双眼鏡で見るのは難しいですが、口径10センチ程度の天体望遠鏡を使えば、 メシエ天体に選ばれている明るい銀河の姿は確認することができますが、銀河の渦巻等が見えるわけではないので、 若干面白みには欠けます。 口径40センチ以上の天体望遠鏡を使えば、暗い系外銀河まで見えてきて、形の違いを見比べるなど、 興味が増すでしょう。

マルカリアンの鎖の写真は、口径13センチの屈折望遠鏡タカハシTOA-130と、 冷却モノクロCMOSカメラを使って撮影しました。 フラットナーレンズでは拡大率が高すぎ、銀河群がはみ出してしまうため、 レデューサーレンズを使って撮影を行いました。

マルカリアンの鎖の全体像は大きいので、焦点距離500ミリ程度の望遠鏡でも撮影を楽しめる領域です。 春の銀河シーズンや初夏の時期に撮影されてみてはいかがでしょうか。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ TOA-130、TOAレデューサー使用

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀

使用カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

露出時間:L=480秒×12枚、R=G=B=各480秒×3枚、ゲイン100、オフセット50

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺、2022年撮影