さそり座アンタレス付近

Antares Nebula,Rho Ophiuchi cloud complex,M4

さそり座アンタレス付近

Takayuki Yoshida

さそり座アンタレス付近

さそり座のα星アンタレスの周囲に広がる色鮮やかな星雲を、 冷却CMOSカメラとビクセンの高性能で小型の屈折望遠鏡「ビクセン FL55SS」で撮影しました。 冷却CMOSカメラのセンサーサイズがAPS-Cサイズなので、少し窮屈な画角になりましたが、 この星域を代表する赤、青、黄色の星雲はなんとか収まりました。

撮影した夜は黄砂が残った夜空だったためコントラストが悪く、画像にもその影響が感じられました。 特に、早い時刻帯に撮影した4枚は写りが悪く、画像処理工程に加えると最終作品のクォリティが下がる恐れがありました。 そこで、4枚はコンポジットから除外し、残りの12枚で仕上げました。

さそり座アンタレス付近の星雲群は、毎年のように撮影していますが、冷却CMOSカメラで撮影したのはこの作品が初めてです。 撮影枚数が少ないので、暗黒星雲部分にノイズが感じられますが、 星が集まった球状星団M4は、中心部分まで解像していて、カメラのポテンシャルの高さを感じました。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン FL55SS、フラットナーHD for FL55SS、レデューサーHD5.5 使用

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ

赤道儀:ビクセン AP-WM赤道儀にてオートガイド追尾撮影

カメラの設定:センサー温度 -10℃、ゲイン 0、オフセット 50、1×1ビニング

露出時間:600秒×12コマ

画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020

撮影場所:奈良県五條市大塔村、2021年撮影