ケフェウス座のIC1396

ケフェウス座のIC1396

IC1396は、ケフェウス座に存在する大きな散光星雲で、 地球から約2400光年の彼方に存在しています。 主にHα光で輝く星雲のため、一般撮影用デジカメでは写りづらいですが、 天体撮影用のデジタルカメラを使用すると、赤く大きく広がった星雲の姿が浮かび上がってきます。

IC1396は、秋の天の川の中に位置しているので、写真に撮ると微恒星の中にぼぉーっと浮かんでいるように写ります。 星雲をはっきりさせるときは、コントラストを強調して、微恒星の中からIC1396を際立たせるように処理しますが、 今回は天の川の中に浮かぶ星雲をイメージして仕上げました。 また、撮影時もL画像は撮影せず、RGB各フィルターを通した画像を用いてカラー合成し、自然な色合いに仕上げました。

撮影には、F値が2と非常に明るい中望遠レンズ、キヤノンEF200mmF2Lを用いました。 以前は、このレンズにカラーCMOSセンサーが用いられたASI2600MCProと組み合わせて撮影していましたが、 レンズの星像が非常にシャープなため、偽色が発生したり、微恒星が四角く写る現象に悩まされました。 今回モノクロセンサーが用いられたASI2600MMPに変更したところ、自然な星像を得られるようになりました。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ZWO AM5赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:Chroma社 RGBフィルター使用

露出時間:R=G=B=各120秒×5枚、総露出時間:20分

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年9月撮影