魔女の横顔星雲 IC2118

IC2118,Witch Head Nebula

魔女の横顔星雲 IC2118

Takayuki Yoshida

魔女の横顔星雲 IC2118

IC2118は、エリダヌス座に属する輝線星雲です。 星雲の形が魔女の横顔のように見えることから「魔女の横顔星雲(Witch Head Nebula)」の愛称で知られています。 魔女の横顔星雲は、写真左側に写っているオリオン座β星リゲルの光を受けて輝いており、 太古の昔に爆発した恒星の名残だと考えられています。 非常に淡い反射星雲のため、肉眼では見ることができず、写真に撮っても微かに写る程度です。

魔女の横顔星雲は、銀塩フィルムの頃から撮影していましたが、 仕上がった写真は、星雲の形がぼんやりとしていて、捉えどころのない写真ばかりでした。 上のように星雲の姿をはっきりと写し出せるようになったのは、デジタル機器の発展と画像処理技術の進歩によるものです。

星雲はエリダヌス座に属していますが、オリオン座のリゲルから辿れば位置がわかりやすいと思います。 自動導入機能のある赤道儀であれば、IC2118と入力すれば、天体を視野中心に導入してくれるでしょう。 カメラのファインダーでは見つけられないので、試写して構図を合わせることをお勧めします。

淡い天体の撮影には明るい光学系が有利なので、F値が2と非常に明るい中望遠レンズ、 キヤノンEF200mmF2Lを使用して撮影しました。 幸い撮影した夜は透明度が良く、光害の影響で写りにくい青っぽい星雲もよく写りました。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ZWO AM5赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:Chroma社 LRGBフィルター使用

露出時間:L=120secX18枚、R=G=B=各180秒×5枚、総露出時間:1時間21分

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年12月撮影