ミルクポット星雲
Sh2-308,Dolphin Head Nebula
Takayuki Yoshida
おおいぬ座 ミルクポット星雲
Sh2-308は、おおいぬ座に存在している淡い星雲です。 星雲の形が、紅茶を入れて温めるリーフポットに似ていることから、日本では「ミルクポット星雲」の愛称で親しまれています。 一方、海外では「Dolphin Nebula(イルカ星雲)」や「Dolphin Head Nebula」の愛称の方が主流のようです。 写真の向きを変えると、星雲の形がイルカの頭のようにも見えますね。
ミルクポット星雲は、主にOIII領域の波長の光を発する星雲ですが、淡いので肉眼では見ることができません。 写真でもブロードバンド撮影ではほとんど写らず、OIII領域を透過するナローバンドフィルターを使用すると、 コントラストよく写すことができます。
ミルクポット星雲の撮影には、F値が3.8と明るいアストログラフ、ビクセンVSD100F3.8と、冷却モノクロCMOSカメラASI2600MMPを用いました。 PM2.5の影響で低空の透明度が悪かったのですが、光学系の明るさを生かし、ミルクポット星雲の高度が高い間にHαとOIII画像を撮り切りました。 380mmの画角だとミルクポット星雲は、小さくしか写らないため、上下左右を大きくトリミングした画像を掲載しています。
Imaging information
撮影鏡筒:ビクセンVSD100 F3.8
望遠鏡架台:ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ
冷却CMOS用色分解フィルター:Chroma社 Hα、OIIIフィルター(半値幅:5nm)
露出時間:Hα=OIII=各10分×6枚
画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020
撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年撮影