アイリス星雲と分子雲
The Iris Nebula、NGC7023、Caldwell 4
Takayuki Yoshida
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アイリス星雲と分子雲
アイリス星雲は、ケフェウス座で輝く反射星雲で、NGC7023のナンバーが付けられています。 上の写真の中央左よりに写っている、青みがかかった部分が、アイリス星雲です。 アイリス星雲の周辺には、非常に淡い分子雲と呼ばれるガスが取り巻き、この写真でもその様子が見て取れます。
アイリス星雲のアイリス(Iris)には、「植物のアヤメ」「眼の虹彩」という意味があります。 天体のアイリス星雲の愛称は「虹彩」という意味から付けられたのでしょうか。 しかし、星雲の青い色彩を見ていると、宇宙に咲く一輪のアヤメの花のようにも見えてきます。
アイリス星雲自体は、比較的明るく、F値の暗い望遠鏡でも写し出すことができますが、 周囲の分子雲は非常に淡いため、天体撮影用のタカハシε-180ED望遠鏡を使用して撮影しました。 また、デジカメもノイズを減らすため、冷却改造したモデルを使用しています。 淡い分子雲の撮影には、やはり明るい光学系が有利ですね。
夏の不安定な天候の影響で、予定していた撮影枚数は得られませんでしたが、 画像処理を施すと、アイリス星雲の周辺に広がる分子雲が画面に表れてきました。 ノイズ処理の関係で、明暗の調子が若干失われていますが、分子雲の存在がよくわかる作品に仕上がりました。 もしまた撮影する機会があれば、天候が安定していて、透明度が良い秋の時期に撮影したいところです。
Imaging information
撮影光学系:タカハシ ε-180ED
撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D フィルター換装・冷却改造モデル)
赤道儀:ビクセンAXD赤道儀にて追尾、M-GENにてオートガイド追尾
カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、
RAWモード、IDAS UIBAR-Vフィルター
露出時間:180秒×22コマ
画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2018
撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2018年撮影