高野辻ヘリポートの全天星空写真
Whole Sky at Midnight
Takayuki Yoshida
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高野辻ヘリポートの全天星空写真
高野辻へリポートは、奈良県五條市大塔町に設置されたヘリポートで、 五條市役所大塔支所から山道を約7キロ進んだところに位置しています。 ヘリポートの周りは紀伊半島の深い山に囲まれているため、夜空を明るくする光害が少なく、星空が美しい場所です。 特に南側は暗く、夏の天の川が白い帯のように見える貴重な天体観測スポットです。
上は、高野辻ヘリポートの撮影場所で、魚眼レンズを使って撮影した全天の星空写真です。 円形の写真の中央が天頂(頭上)になり、 方角は、上が北、下が南、右が西、左が東方向になっています。 カラーバランス調整以外の画像処理は施していませんので、 高野辻へリポートの夜空の状態を知ることができると思います。
写真から、撮影地の視界は東側が全体に開けており、南東方向も良好なことがわかります。 しかし、真南には小高い丘があるため、南中したさそり座の尻尾付近は隠れてしまっています。 一方、北から北西方向にかけては山があるため、視界がかなり遮られてしまっています。 北極星がかろうじて木の上で輝いているのがわかります。
都市部の明りの影響ですが、他の紀伊半島の撮影地と同様、南側は暗く、目立った光害がありません。 一方、北側の空は明るく、奈良市の光害の影響が出ているのでしょう。 また、西方向は、公園で視界が遮られているためこの写真ではよくわかりませんが、 ヘリポートの公園から西方向を眺めると、大阪市や和歌山市の光害の影響で白っぽくなっているのがわかります。 大都市部から50キロ以上は離れた山間部ですが、都市部の光の影響はここまで届いてしまっています。
この全天星空を撮影したのは、2017年4月です。 4月というのにこの夜の気温は氷点下まで下がり、明け方は凍えるようでした。 久しぶりに晴れた夜だったので、高野辻には天体写真ファンがたくさん集まり、 朝まで楽しく過ごすことができました。 写真下に赤色の光が写っていますが、これは赤色ヘッドライトや赤道儀の赤色照明が写ったものです。
Imaging information
撮影光学系:キヤノンEF8-15mmF4LフィッシュアイUSM レンズ
撮影カメラ:キヤノンEOS5D MarkII
カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、F4.5、ISO3200、ディフュージョンフィルター使用
露出時間:300秒
画像処理ソフト: PhotoshopCC 2015
撮影場所: 奈良県五條市大塔町 高野辻へリポート、2017年撮影