NGC2477とガム星雲
NGC2451,NGC2477,Gum Nebula
Takayuki Yoshida
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NGC2451、NGC2477とガム星雲
NGC2451とNGC2477は、冬の南空低くに輝く「とも座」にある星団です。 写真中央のやや赤い星を中心とした星の集まりがNGC2451、その左隣に写っている密集した星の集まりがNGC2477です。 星の集中度は異なりますが、どちらも散開星団に分類されています。 どちらの星団も双眼鏡を使えば確認できるので、見比べてみると面白いと思います。
ガム星雲は、「ほ座」から「とも座」にかけて広がる巨大な星雲で、 大昔に超新星爆発が起こったときの残骸だと考えられています。 日本では南空低くに見えるため、ガム星雲全景を捉えることは難しく、 天頂付近に観察できる南半球で撮影したい天体です。 なお、ガム星雲は大変淡い星雲ですので、肉眼で捉えることはできず、写真に写して初めて確認できる天体です。
NGC2477とガム星雲の写真は、明るい屈折望遠鏡と冷却改造されたデジタル一眼レフカメラに、 Hα光のコントラストを向上させるHEUIB-IIフィルターを用いて撮影しました。 地平線すれすれで輝くため、1枚あたりの露光時間をなるべく短くし、南中前後を狙って撮影しました。
昔、中判銀塩カメラと望遠レンズで撮影したNGC2477とガム星雲の写真と比べると、 デジタル機材のおかげで解像度が増し、淡い星雲のディテールもよく表れています。 100ミリ前後の中望遠レンズでも撮影を楽しめる星域ですので、透明度の高い夜に出会えたら、 是非撮影にチャレンジしていただきたい天体です。
Imaging information
撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8、V0.79レデューサー使用
撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D 天体用冷却改造カメラ)
赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、ステラショット1.5にて導入・オートガイド追尾
カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1600、RAWモード、HEUIB-IIフィルター
露出時間:180秒×12コマ
画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015
撮影場所: 和歌山県東牟婁郡串本町、2016年撮影