ビッグバン論 宇宙の始まり
1912年、アメリカの天文学者ヴェスト・スライファー氏は、 遠い銀河ほど速い速度で遠ざかっている現象(赤方偏移)に気づきました。 これが、宇宙が広がっているという考えの始まりです。
その後の研究により、宇宙がものすごい速度で膨張しているという考え方が生まれました。 それまでの「宇宙は静止している」という考えを覆すものでした。
宇宙には始まりがあった
宇宙は静止していると考えられていた頃は、宇宙はずっと存在していて、いつまでも存在していると 考えられていました。しかし宇宙が膨張しているとなると、時間を逆にたどれば、宇宙が縮小し ていくことになります。 科学者達は、時間を逆に回して宇宙の始まりを探すようになりました。
あるとき、アメリカのガモフ博士が「宇宙は超高温で高密度の状態から爆発によって誕生した」という 発表を行いました。これが、後にビッグバンと呼ばれる宇宙誕生の瞬間です。
今ある広い宇宙が縮小していくと、銀河は近づき、物質がたくさん詰まった状態になります。 過密状態になると温度はどんどん高くなり、星も存在できない高温の状態になるでしょう。 それがもっと密になり、素粒子の状態からビッグバンが始まった言われています。
宇宙の年齢
宇宙に始まりがあったとなると、宇宙が誕生してからの年齢があるはずです。 宇宙の年齢は100億歳から150億歳と言われていて、最近のNASAの発表では137億歳ぐらいだろうと考えられています。
原始銀河が誕生したのが約10億歳の頃、星が誕生したのが50億歳。太陽系の誕生は100億歳の頃と考えられて います。宇宙は普遍ではなく、膨張しながら星を生み出し、絶えず変化していっているのです。
宇宙の端
宇宙に始まりがあって膨張していると言うことならば、宇宙には端があるはずです。 端の先はいったいどうなっているのでしょう。その外側には、またこの宇宙を包むより大きな空間が あるのでしょうか。
膨張を続ける宇宙は、端に近づくにつれて速度を増していきます。端の方の天体の速度は凄まじ く、光の速度の99%以上で遠ざかる銀河も観測されています。
もっと遠くの銀河はもっと速い速度で後退しています。その後退速度が光の速度に達すると、それ 以上先は見ることができません。光が地球に届かなくなってしまうからです。そこが宇宙の観測の 限界、つまり私達の宇宙の端と考えられています。