星が生まれる場所
宇宙には私達の太陽のような恒星がたくさんあります。そうした恒星はどこで生まれるのでしょう。
夜空を双眼鏡や望遠鏡で眺めていると、ぼうっとした雲のようなものが見えることがあります。 これは星雲と呼ばれているガスの集まりです。ここから星が生まれるのです。
いろいろな星雲
宇宙空間は真空です。ですから何もないと思われがちですが、ほんの少しだけ水素やチリ、ヘリウムなどの 物質が存在しています。これらは星間物質と呼ばれています。
星雲はガスとこうしたチリが集まったもので、大きく分けると散光星雲と暗黒星雲に分かれます。 文字通り明るく光って見えるのが散光星雲で、散光星雲はさらに輝線星雲と反射星雲にわかれます。
輝線星雲は、明るい星の光のエネルギーを受けて光り輝いている星です。ガスが近くの明るい星の紫外線を浴びて、 プラズマになって光り輝いているのです。 このような輝線星雲の中では、オリオン大星雲、ばら星雲などが有名です。
反射星雲は、文字通り近くの明るい星の光を反射して輝いている星雲です。こうした星雲にはすばるの周りを包む メローペ星雲やオリオン座のM78星雲があります。
一方、暗黒星雲はその名の通り真っ暗なガスの集まりです。普段は光を発しないので見ることができませんが、 暗黒星雲の後ろに明るい星雲があったりすると、その存在がわかるようになります。 よく知られた星雲としては、オリオン座の馬頭星雲があります。宇宙の大きな影絵ですね。
星の誕生
そうした星雲のガスには、濃度が濃いところ、薄いところがあります。ガスの濃いところが何かのきっかけで集まっていくと、 自ら生み出した重力で収縮を始めていきます。こうなるともっと重力が強くなり、ガスが高密度になっていきます。
ガスの密度が増していくと、だんだんとガスの粒子が回り始めます。すると中心部の温度が上がり、やがて光るようになります。 これが星の赤ちゃんである原始星です。
原始星がさらに収縮を続けると、もっと温度が上がっていきます。そして中心部の温度がある一定を超えると、原始星の 中心で核融合反応が始まります。太陽の誕生です。原始星は恒星となり、明るく輝くようになります。